グローバル人材を育てるための教育とは

前ページで述べたグローバル化を担う人材がグローバル人材です。どんな人をグローバル人材と呼ぶのかはさまざまに議論され、メディアでもたくさん取り上げられています。近い将来、世界のホワイトカラーの仕事の65%を人工知能が担うといわる中、本当に求められる人材とはどんな人材なのでしょうか?

まず、グローバル人材となるための「必須条件(=スキル)」と「必要な力」というものを分けて考える必要があります。この必須条件とはずばり、「英語力」です。世界共通の言語である英語が話せないと、その舞台にさえ立てないことになるからです。日本の英語教育がどれほどひどいかは良く言われることですが、実際に日本は、アジア諸国の中においても、スピーキング、ライティング、リスニング、すべての技能でレベルが劣ると言われます。特に中国や韓国にも大きく力の差をつけられています。

つまり、日本の英語はグローバル化の必要条件にまったく達していないということです。

次に「必要な力」ですが、以前聞きに行ったセミナーで、下の6つを挙げていました。
コミュニケーション能力
実行力
問題設定力
創造力
クリティカル・シンキング
教養

 

受験偏重の日本の教育制度は、入試を目的に「答えはひとつ」の問題のみに取り組んでいます。知識のインプットばかりを求められ、そこから何かを考えアウトプットする、つまり「知」を創造することの大切さや喜びを全く教えられません。自ら考え、問題を設定・解決するための教育は皆無です。そして協調を重んじるあまり、「自分とは何者か」を問わないままに、没個性をよしとします。

一方、世界では、「常識を疑う/前提を疑問視する」ことが教育の中で大切にされています。「自分とは何者か」「あなたはどう思うか」が大切だとされ、自信をもって世界にでることを教わっているときに、日本はまだ協調を重んじるマス・エデュケーションで子どもたちのクリエイティビティを育てることを怠っています。

日本の教育が変わらなければならないといわれる本質とはここだと私は思っています。英語をツールとして使いこなし、堂々と自分を発信し、世界の人々と渡り合う。多様性を認め、受け入れ、そんな中で同じところを目指して柔軟にさまざまなことを創造していく、そんな人材を育てることこそがグローバル化に必要だと思います。

日本は2020年、いよいよ教育改革を掲げて大きく変わろうとしています。入試制度の変革はその大きな改革のひとつです。その中で、グローバル化の必須条件とされる英語力向上が大きなウェイトを占めています。大学受験では、今までのセンター試験が廃止され、より「考える力」にフォーカスした出題へとシフトし、英語については4技能(読む・聞く・話す・書く)のスキルを問われることになります。

日本の教育も、やっとグローバル人材育成のスタート地点に立ったと言えます。

とはいえ、上で述べたように、英語は必須条件(スキル)でしかなく「グローバル人材たるゆえん」ではありません。ですので、英語力だけを伸ばすための留学では不十分なのです。