高校の交換留学という選択肢

「毎日が暴力」という見出しの衝撃

東洋経済オンラインに10月13日付で、高校生の交換留学についての衝撃的な記事が掲載され、SNSでも話題になっています。
題して、『「毎日が暴力」高2女子が見た留学先の壮絶実態』。
この中で批判されている「支援団体」=留学エージェントについて、そしてその在り方について考えてみようと思い、あえてこの記事をこのコラムで取り上げてみました。

ここに書かれていることは、留学を夢見ている人にとっては悪夢ともいうべき内容です。期待に胸を膨らませて留学生活をスタートして、こんな現実が待っているとは夢にも思わなかったに違いありません。そしてとてもじゃないけど、受け入れられることではありません。親としても、自分の子どもがこんな扱いを受け、劣悪な環境に置かれていると知って心配しないはずがありません。

この支援団体から交換留学で海外に行った学生たちで、とてもいい経験をして帰国する学生さんももちろんいることと思います。交換留学のすべてのケースがこのようなものでも決してありません。

しかし、安くすむ!というメリットのほかに、こういった交換留学の制度そのものがもつリスクを知っておく必要があるということだと思います。
それらをまとめると下記のことになります。

留学する学生側が地域や学校を選ぶことはできない(国は選べる)
→ 安全や治安を考慮して地域を自ら選んだり、学校の質や評価、校風などを考慮して自分に合った学校を選ぶことができない
ホストファミリーは無償で(ボランティアで)滞在させてくれるため善意が前提 
 → 無償で滞在させてもらっていることを知らされているため、学生は正当な扱いを求めるのを遠慮することも多い
 → また、通常は学校やホームステイを斡旋する団体が行うクオリティ・マネジメントが適切に行われているかどうかわからない


すべて自分で決めることができる私費留学は、これらの選択が可能
です。そこが違います。裏を返せば交換留学はその代わりに安く行けるので、安く済むわけです。

LAUにて私費留学のサポートをさせていただくときには、学校選びはとても大切にすることのひとつです。なぜなら、学校によって特徴が違ったり、カラーもあり、学力のレベルも違います。その子の性格や、学力、目標にしていることによってどの学校がいいかを提案することは留学エージェントの大切な役割の一つだと思っています。

☑ 女子校がいい?男子校がいい?共学がいい?
☑ 街中の学校がいい?それともちょっとのどかな郊外の学校がいい?
☑ 大規模校がいい?小規模なアットホームな学校がいい?
☑ アカデミックな(学業に力を入れている)学校がいい?スポーツの盛んなのびのびした校風の学校がいい?

さらには、それぞれの学校の特長を踏まえ、その生徒さんが留学でやってみたいことや達成したことを聞いて学校を提案しています。
治安も含めた地域の特長を知って選ぶこと、学校やホストファミリーの質を検討材料のひとつにすることは、その学生さんの留学体験そのものにかかわる最重要事項だと考えています。

交換留学は留学に安くいけるんだから、街や学校が選べないのは仕方ないよね?


自らの娘を留学させ、学生さんたちをニュージーランドに送ってきた留学エージェントの立場として、少なくともリスクがあることを知っておくこと、もし今回の記事に合ったようなことが起こったら、どのように対処したらいいのかを子どもと話しておくことが大切だと思います。

交換留学は安い!と言われていますが、費用面についても、受けられるサービスも含めしっかり検証してみることをお勧めします。
たとえば1年間のニュージーランド正規留学(公立校)は270万円~300万円ぐらいと言われています(エージェントや学校によっても異なり、これ以上かかることもあります)。一方で交換留学の相場は170万円~200万円ほどで、その差額をどうみるかということになります。差額を考える時に、それぞれのサポート体制、大まかにではなく具体的にどのようなサポートを受けられるのかを総合的に比較してみていただくことをお勧めします!

留学エージェントの役割

今回の記事のケースで、一番不幸だったのは、学生さんに「たよるべき人=留学生活がより良いものになるようにサポートしてくれる人」がいなかったことだと思います。高校生と言えどもまだ子供です。大人が介在する必要があることもまだたくさんあります。

留学エージェントによってその特徴やサポート内容とその質はさまざまで、費用も違います。よく聞く話で、「大手であれば安心」ということもありません。
何が留学エージェントの役割なのか、これは本当にいつも考えています。現地校のディレクターともよくこのことについては話します。

留学生が “安全な” 環境のもとで、”安心して” “Happyな” 留学生活を送ること
これを現地校の留学部門との協力体制の下で実現するのが留学エージェントの一番大切な役割

 

”安心して” “Happyな” というところにはたくさんのことが含まれます。

学校での生活:レベルや科目は自分に合っているか
ホストファミリーでの毎日:家族の一員として受け入れてもらい、きちんとケアしてもらっているか
自分の立てた目標を達成するための適切なサポートが得られているか
たくさんの苦労、挑戦、大変さを乗り越えるのは自分だけれど、本当に困ったときやつらいときに親身になってくれる大人がいるか

今回のこの記事の学生さんには、こういった基本的な環境が与えられず、サポートを求めたにもかかわらず大人からの適切なサポートが得られなかったことが大きな問題だったと思います。交換留学だから得られない、と言い切ることはもちろんできませんし、正規留学でもトラブルはたくさん聞きます。が交換留学は正規の留学に比べて選択の余地がなく、大切なポイントを自分で決められない以上、リスクはあがるということを検討の際に知っておくべきだと思います。

留学エージェントとして、いつも私がオリエンテーションでは、「必要であれば大人のサポートを得ること」「つらいときにはまずは相談すること」と強調して伝えます。留学中につらい思いをしたり、大変な思いをしないことなんてないぐらいです。それらを乗り越えて、子どもたちは成長します。が、大人のあたたかい目が行き届いていてこそ、大きなことに挑戦したり、ときには挫折しながらも留学生活を楽しむことができるのです。

留学エージェントを選ぶときに最も大切だと思うこと

なんだかものすごく長くなってますが・・・最後に留学エージェントを選ぶときに最も大切だと思うこと、つまり私が留学エージェントをやっている中で最も大切にしていることをお伝えしたいと思います。

それは一言でいうと

現地を知ること。学校を知ること。学校と信頼関係を築き、協力しながら子どもを1番に考えてサポートすること

 

これが、「大手が安心」とは限らない、という根拠にもなっています。
大手のエージェントは、現地エージェントに丸投げのところも多く、現地をよく知り現地校としっかり信頼関係を築いてサポートしているところは多くないと聞きます。大手だからこそ、そこまでできない、ともいえるんです・・・

留学中はいろいろなことが起こります。そのときに、留学エージェントは学生さんと学校の間にたって問題をクリアにして、その解決に尽力し、さらには学校と保護者様とを結ぶ役割も担います。

何でも自力で解決することを促したり、親と連絡を取らないようにと言ったり・・・留学エージェントとしてはその意図がよくわかります。
が、そのことと必要な大人のサポートを得られないこととはまったく違う話です。

我が娘も何度も何度もたくさんのサポートをいただいて2年間を終えることができました。LAUでサポートしている子で、ホームステイを変えてとってもHappyになった子もいます。気晴らしは日本の友だちとLINE電話で話すこと、ご両親と話すこと、という子もいます。週末に思いっきり日本語で気の置けない人たちと話して、また月曜日から1週間頑張れる子もいます。ホストファミリーとうまくコミュニケーションが図れずに誤解が生じて、困って連絡してくる子もいます。日本の学校でだってトラブルがあったり、困ったことは起こるのですから、海外の学校やホストファミリーでもあって当然です!時には心配で心配で・・・とご相談をくださるご両親と何時間も話すこともあります。親だって、学びながら、子離れしながら一緒に留学の時間を過ごしているのです!


最後になりますが・・・今回のこの記事の学生さんのことを知って、胸が痛みましたが、留学エージェントとしてしっかりサポートしてあげたいとがんばっている人もたくさんいます。この記事については、この学生さん以外の他の関係者や当事者への取材がなされていないこともあり、このまま鵜呑みにしてしまうのもどうかなと、思っています。

さて、今日はこのあたりで終わりにしたいと思います。
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