高校生が3か月以上留学する国、第2位ニュージーランド!
このほど文部科学省が「平成27年度高等学校等における国際交流等の状況について」(2019年8月27日報道発表)という調査結果を発表しました。この調査は昭和61年度から隔年で行い今回で15回目を迎えるそうです。
さて、この調査、なかなか興味深いのです。
3か月以上留学する高校生の数は前回調査より8%アップ!
行先の1位アメリカ、2位ニュージーランド、3位カナダ
自分の通う学校に在籍したまま単位を認めてもらう形で留学する学生が最も多く(注1:学校教育法施行規則第93条)、全体の約82%を占めるそうです。アメリカは相変わらずの人気国ですが、ここでニュージーランドが他国を抑えて2位にランクイン!
この調査の前の回、平成25年度の結果では、カナダが2位でしたが、今回カナダを抑えての堂々の2位でした!
(下記グラフは同調査P8 設問4 高校生の留学(3か月以上)について より)
理由は調査の中にかかれていませんでしたので私見ですが、ひとつ考えられるのは、ニュージーランドという国は「教育機会の平等」が徹底している国です。それは留学生に対しても同じこと。ですので、留学のスタート時期の英語力で入学の可否を判断しません。つまり、比較的柔軟に、空きがあれば入学を許可してもらえる可能性が高いことを意味しています。ここがカナダやオーストラリア、イギリスとは少し異なるところです。英語力が十分でなくても受け入れ、留学生用の英語クラス(ESOL)でしっかり英語をサポートします。
ほかには、親目線で考えると費用がリーズナブルなこと、安全であることも理由にはいるかもしれません。
逆に、3か月未満で留学(学校の研修旅行と位置付けている)する高校生の数は前回調査より17%減少しています。高校生の留学が長期化してきているということですね。
ちなみに、この3か月未満の留学の留学先1位はオーストラリアです。次いでアメリカ、イギリス。
これには姉妹校の数との関連性がありそうです。この調査では学校の姉妹校に関する内容もあり、姉妹校の数、国別などの結果がまとめられています。その中で、日本の学校と最も姉妹校提携を進めている国がオーストラリアでした。ですので、必然的に3か月未満の学校研修の数をみると学校から姉妹校に研修に行くわけですから一番姉妹校提携先が多いオーストラリアがトップなのもうなずけます。
最後になりますが、高校生の留学に対する意欲は・・・どれぐらいあると思いますか?(グラフは同調査P10高校生の留学に対する意識より)
全体的には留学する高校生の数は増えたとはいえ、留学したいと思わないと答えた生徒が6割もいるのですね。ちなみに、平成25年度の同じ調査の同じ質問に対する答えは「留学したい」と答えた生徒は36.8%だったので、約3%増えました。
注1:
学校教育法施行規則第93条による留学:
第 93 条 校長は、教育上有益と認めるときは、生徒が外国の高等学校に留学することを許
可することができる。
2 校長は、前項の規定により留学することを許可された生徒について、外国の高等学校
における履修を高等学校における履修とみなし、36 単位を超えない範囲で単位の修得を
認定することができる。
3 校長は、前項の規定により単位の修得を認定された生徒について、第 104 条第1項に
おいて準用する第 59 条又は第 104 条第2項に規定する学年の途中においても、各学年
の課程の修了又は卒業を認めることができる。
引用文献:文部科学省初等中等教育局国際教育課 「平成27年度高等学校等における国際交流等の状況について」